2011年05月31日

支援鯨肉が配達されず 「食中毒の恐れ」

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市牡鹿地区住民を励まそうと、日本小型捕鯨協会(東京)が釧路市から送った鯨肉が、「食中毒の原因になりかねない」とする市の要請で配達されなかったことが分かった。
 鯨肉は、震災の影響で石巻市の鮎川港から釧路市の釧路港に拠点を移した春季鯨類捕獲調査で捕獲されたミンククジラの生肉。石巻市牡鹿総合支所が避難住民に意向を確認すると、ほぼ全員が「鯨肉を食べたい」と回答。協会は、避難所23カ所に鯨肉が28日正午前後に届くよう、26日に計280キロの肉を宅配便で釧路から発送した。しかし、27日夕に生鯨肉送付を知った市産業部は「食中毒の恐れがある」と、同協会に配達中止を要請した。
 市産業部は「衛生面でも、避難所で生鯨肉を食べることは問題。長い避難所生活で抵抗力が弱っているお年寄りが食中毒になる恐れが高い」と説明する。市は昨年9月、牡鹿地区住民に生鯨肉を販売。住民約160人が食中毒症状を起こし、市は住民に約400万円の損害賠償金を支払ったことがある。
 市牡鹿保健福祉センターに避難している土屋京子さん(57)は「送り主の善意を無視している」。自宅が津波で全壊した遠藤幸男さん(60)は「生食がだめなら加熱処理すればよいのに」と市の対応を疑問視する。
 日本小型捕鯨協会の木村親生事務局長は「残念だが無理に押しつけるわけにはいかない。楽しみに待っていてくれた地域の人たちに心苦しい」と戸惑っていた。



[毎日新聞ニュース]より



 せっかくの支援ですが、残念ですね。でも、やはり被災者・避難民の健康が一番ですから仕方がないですね。食中毒が蔓延すると、ただでさえつらい思いをしている皆様に、更なる負担が生じますから、事前にリスクを回避する決断も必要ですね。



Posted by narushisasu  at 06:55



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